いよいよスタート
早朝、YouBike(レンタサイクル)を借りて、いよいよ台湾初ライド。
出発地点から汐止基隆河自行車道(サイクリングロード)までは、一般道を少し走る。
(台湾では自転車を「自行車」または「腳踏車」と呼ぶ。)
交通量も多く右側通行。おまけに慣れない自転車なので、慎重に走る。
慣れるまでは少し緊張した。
想像以上のサイクリング環境
走り始めて驚いたのは、自転車専用道路の充実ぶりだった。
河川敷には広いサイクリングロードが整備されていて、とても走りやすい。
「台湾は自転車が走りやすい国」
そんな話は聞いていたが、実際に走ってみると、想像以上に自転車で旅をしやすい環境だった。
景色が変わっていく
市街地を抜け、郊外へ出ると周囲の景色が少しずつ変わっていく。
山の緑が増え、知らない鳥の鳴き声、知らない花。
台湾には何度も来ているのに、自転車で走る景色はとても新鮮だった。
日本にも似ているようで、どこか違う。
初めて見る景色なのに、不思議と落ち着く。

途中で「自転車は降りて押してください」という注意書きを何度か見かけた。
日本人の恥になるので、律儀に自転車を降りて押していた。
……ところが地元の人たちは普通に走っていく。
「えっ、いいの?」
思わず苦笑いしてしまった。

さらに目に入ったのが「Cycling Rest Stop」の案内。
日本ではあまり見かけない、自転車旅行者向けの設備だった。
「台湾は本当に自転車を歓迎してくれる国なんだな」
と感じた瞬間だった。

※ちなみに、新北市では「汐止基隆河自行車道」、基隆市に入ると「基隆河岸自行車道」と案内板の表記が変わっていた。同じルートでも自治体によって名称が異なるようで、日本と少し似ている(笑)。
五堵鐵路隧道との出会い
途中で現れたのが、レンガ造りの長いトンネルだった。
中へ入ると、外の暑さが嘘のようにひんやりと涼しい。
当時は何のトンネルか知らなかったが、後で調べると「五堵鐵路隧道」という旧鉄道トンネルだった。
日本統治時代の鉄道遺構を活用したサイクリングロードらしい。
たまたま居合わせた地元の人に写真を撮ってもらい、しばらく話をする。
日本から来たと言うと、
「加油!(頑張れ!)」
と笑顔で励ましてくれた。

老夫婦との出会い
おそらく道半ばくらいまで来た頃、散歩中の老夫婦に写真をお願いした。
頼んだついでに、
「不好意思,請問到基隆還要多久?」
(すみません、基隆まであとどのくらいですか?)
と聞いてみる。
すると、お婆ちゃんが、
「三十分就到了啦!」
(30分くらいよ!)
と答えた瞬間、お爺ちゃんがすかさず、
「沒有啦!那是開車吧!」
(いやいや!それは車だろ!)
👵「騎腳踏車也差不多啦!」
(自転車だともっとかかるよ。)
👴「怎麼可能!」
(そんなわけない!)
と、二人の意見が真っ二つ。
険悪な雰囲気になりかけたので、
「じゃあ、45分ということで。」
と私が仲裁することになった。

初めて会った外国人のために、真剣に議論してくれる。
台湾の人の温かさを感じた、忘れられない出来事だった。
基隆が近づく
サイクリングロードは途中で終わり、ここからは一般道。
交通量も増え、再び少し緊張する。
まずは台湾ならどこでも見かけるファミリーマート(全家)で休憩。
台湾はセブンイレブンとファミリーマートが非常に多く、どちらもイートインスペースがあるので、自転車旅の休憩にもぴったりだった。
マンゴーアイスを食べて英気を養い、いざ基隆へ。
大きな幹線道路では、トンネルや工事現場など、サイクリングロードでは味わえない緊張感もあった。
それでも気が付けば、基隆までもう少し。
海のある港町へ向かっていると思うだけで、不思議とペダルは軽くなった。

次回、港町・基隆へ
台湾のサイクリングロードは、ただ移動するための道ではなかった。
景色を楽しみ、人と出会い、その土地の空気を感じながら走る。
走ることそのものが、旅になっていた。
次回はいよいよ、港町・基隆へ。
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