台湾シリーズ① 前編(準備編)

台湾で初めてYouBikeを借りて基隆を目指す、たいチャリキャラクターのイラスト

台湾で自転車に乗りたい

コロナ禍に自転車を趣味にしてから、一度は台湾を自転車で走ってみたいと思っていた。

しかしコロナ禍の間は台湾へ帰ることができない。

そしてようやく、久しぶりの台湾旅行の日がやってきた。

本当はロードバイクを借りて、台北郊外を自由にのんびり走るつもりだった。

しかし現実はそう簡単ではない。

妻の実家周辺にもレンタサイクル店はあったが、営業は土日のみ。平日は借りることができなかった。

台北市内まで行けばロードバイクを借りられる店もある。ただ、実家から少し距離があるうえ、パスポートを預ける必要があるなど、旅行中の身としては少々ハードルが高かった。


Googleマップで見つけた目的地

どうしたものかと思いながらGoogleマップを開く。

すると妻の実家近くを流れる基隆河の両岸に、長いサイクリングロードが伸びているのが見えた。

そして地図の先には「基隆」の文字。

基隆は台湾でも有名な港町だ。

何気なく距離を測ってみると、新北市から片道20キロ弱。

「20キロなら大したことないな」

今思えば少し楽観的だったかもしれない。

こうしてロードバイクは諦め、台湾旅行の必須アイテムとも言える悠遊カードを使って、誰でも気軽に借りられるYouBikeで基隆を目指すことにした。


YouBikeで基隆へ?

当日の朝。

貸出場所へ向かうと、ちょうど従業員の方が自転車の準備をしていた。

私は挨拶をして、中国語で聞いてみた。

「不好意思,請問這台腳踏車可以在基隆還車嗎?」
(すみません。この自転車は基隆で返却できますか?)

すると従業員は少し驚いたような顔をして聞き返した。

「你要騎這個去基隆?」
(これで基隆まで行くの?)

今ならその反応も分かる。

おそらく彼にとってYouBikeは近所の移動手段であり、旅行者が基隆まで走ることは想定外だったのだろう。

しかし当時の私は、

「片道20キロちょっとだし、大丈夫でしょう」

くらいに考えていた。


電動アシストという選択

借りる際、普通の自転車にするか、電動アシスト付きにするか少し迷った。

そして最終的に選んだのは電動アシスト付きの車体だった。

後になって振り返ると、この選択は大正解だった。

ただし、その時は別の心配もあった。

バッテリーである。

電動アシストは便利だが、バッテリーが切れればただの重たい自転車だ。

しかも私は台湾の土地勘がない。

基隆で返却できるなら帰りは列車に乗ろうと思っていたが、それができるかもよく分かっていなかった。

「まあ、何とかなるだろう」

根拠はない。

だが旅というものは、だいたいそんな感じで始まる。


悠遊カードで出発

YouBikeは悠遊カードを使えば簡単に借りることができる。

余談だが、台北観光をするなら悠遊カードは便利というより、ほぼ必須と言っていい。

地下鉄、バス、コンビニ、そしてYouBike。

一枚あるだけで行動範囲が大きく広がる。

ハンドル部分に悠遊カードをタッチし、いよいよ出発する。

電動アシストなので、こぎ始めは少し重い。

しかし動き出してしまえば快適そのものだった。

こうして私は、汐止基隆河自行車道を目指して走り始めた。

この時の私はまだ知らない。

快適なサイクリングロードに感動することも、途中で台湾の老夫婦の意見の食い違いを仲裁することになることも。

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